ボイトレというと、ピッチや音程、リズム感以外に……
「腹筋を鍛えなきゃ!!」
と思う人も多いはずです。
有名ミュージシャンも体を鍛えている人も多いので、腹筋=歌が上手くなると思いますよね??
ただ、歌が上手くなる上で必ずしも腹筋が必要かというと実はそうではないのです。
ボイトレに腹筋は必要なのか??
ボーカリストというと腹筋が割れているイメージがあります。
なので、腹筋を鍛えると歌が上手くなると思いがちです。
しかし、スポーツマンが全て歌が上手いかというとそんなことはありません。
音痴などはさておき、腹筋が割れている水泳選手がみんな声がよく通るわけではないのです。
ただ、ボイトレと腹筋は全く関係がないわけではありません。
実際に僕が体験レッスンでお世話になった先生もカリキュラムの中で腹筋トレーニングを取り入れていると言っていました。
声を出すための3つの要素
歌を歌うためには肺から空気を出し、その空気(ブレス)を喉と口を駆使する必要があります。
普段から何気なく歌を歌っている私たちですが、歌を出すためのポイントはこの「空気(ブレス)」「喉」「口の形」の3つなのです。
ボイトレスクールでは、この3つを基本トレーニングで習っていきます。
ボイトレでいう「腹式呼吸」はブレス、「音階トレーニング」は喉、「表情筋トレーニング」は口の形につながるわけです。
で、腹筋はたくさんの空気を肺に送り込むために必要になってきます。
腹筋を鍛えることによって、体が安定するので、声量が出るようになったり、音域の幅が広がるようになります。
ボイトレ=筋トレの考え方はやめよう
このように、腹筋は「腹式呼吸を安定させるためのブレスの1要素」に過ぎないんです。
いくら鍛えたところで腹式呼吸がしっかりできていないと意味はありませんし、いくら声量がでても、音程がしっかりしていないと歌がうまくなったことにはつながりません。
なので、「ボイトレのためにまず筋トレをする」という考え方はやめて、ボイトレをする中で必要最低限の筋トレをしていくようにしましょう。
歌が上手くなるための腹筋
では、実際に歌がうまくなるための腹筋の鍛え方を見ていきましょう。
腹式呼吸を安定させるための腹筋は通常の腹筋(腹直筋)ではなく、腹直筋の奥にある腹斜筋のことをいいます。
いわゆるインナーマッスルと言われてるところですね。
通常の腹筋運動でもこの腹斜筋を鍛えることができますが、今回は効率的に腹斜筋を鍛える方法を書いていきます。
足上げ腹筋
通常の頭を持ち上げる腹筋ではなく、足を上げてキープする筋トレです。
仰向けになり、両足を20cmほど上げたまま、それをキープします。
この時、両足は揃えて、膝は曲げずにするのがポイントです。
これ、やってみるとわかると思いますが、かなり下っ腹がきついです。
いきなりやると腰が浮いてしまったり、うまくできないことが多いので、そういう人は仰向けのまま腕を上げて何かに掴まりながらやるといいです。
もし、手伝ってくれる人がいるなら、誰かの両足に掴まって、自分の上げた両足を押してもらうといいです。
押された両足が地面につかないように抵抗することで腹斜筋を効率的に鍛えることができます。
フロントブリッジ
足上げ腹筋が苦手な方はうつ伏せで筋トレをするフロントブリッジを試してみましょう。
こちらは正しいフォームでやればインナーマッスルを全体的に鍛えることが可能です。
床にうつ伏せになり、腕を肩幅分広げ、肘部分を90度に曲げて上体を起こします。
足はつま先のままで、足から首筋までをまっすぐに伸ばすようにキープします。顔は前を向きます。
これを30秒ほどキープしましょう。
この時、お尻が上がらないように注意しましょう。
また、地面に当たっている肘に重心がかからないようにすることもポイントです。
ボイトレ応用腹筋トレーニング
僕が体験レッスンで教わったボイトレ腹筋トレーニング方法をお教えします。
簡単にいうと、腹斜筋に力が入っている状態でそのまま歌うというトレーニングになります。
これはかなりキツイです。
椅子に浅めに座って、骨盤だけで支えて、両足を前にあげます
この状態で好きな曲を一曲歌い切ってみましょう
腹斜筋と内転筋が鍛えられる上にこの状態で歌を歌うことで、安定した歌い方ができるようになります。
歌うのが環境的にキツイ人はこの状態でブレスをやっていきましょう。八吸って八で吐きます。
鍛えすぎに注意しよう
腹筋は鍛え過ぎてしまうと、お腹が外側に膨らみにくくなるため、結果的に多くの息を吸うのが難しくなってしまうと言われています。
他にも某有名ミュージシャンが何かのインタビューで答えていましたが、胸筋も鍛えすぎるのはよくないんだそうです。
胸筋を鍛えてたら、声がキンキンになってしまってそれから、鍛えすぎるのをやめた、と言っていました。
大事なのはボイトレの一環としてほどほどに筋トレをしていくということです。
日常生活でそれなりに運動をしていれば、それだけで筋肉は鍛えられます。無理に筋トレをする必要はないのです。
まとめ
腹筋を鍛えることで、ボイトレにも効果が期待できることがわかりました。
しかし、ただ筋トレをすればいいというわけではありません。
いわゆる「シックスパック」と言われる腹筋ではなく、インナーマッスルと呼ばれる部分を鍛えることがボイトレにつながるわけです。
とくにボーカル志望の人はバンドでいうフロントマン・センターの役割を持っているので、見た目的にも鍛えていた方がいい面があります。
腹筋を鍛えておいてデメリットがあるわけではないので、声のボイトレをメインで並行してほどほどに鍛えるようにしましょう。
とにかく安いボイトレ教室を探してる方や地方住まいの方はこちらも参考にしてね!